序章

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最終打ち合わせだというのにもめているのは…それぞれの色を決めていなかったからだった。 「ココニャがピンク、玉露は緑、マンチカンは青。んで俺が赤。ほら、黄色しかないだろ?」 「私が黄色をやっても良いぞ?カレーは好きだしの」 マンチカンが提案する。 「お、コイヌ。青が空いたぞ?」 「青はイヤだ!黄色もな!赤だ赤!」 「だぁーっ!本当にお前ってやつはくそガキだな!」 「もう赤2人でも良いんじゃない?魔法使えば今からでも…」 ココニャが呆れて提案すると、 「「それはダメだ!」」 2人の声が重なった。 どうやらこだわりは強いらしい。 「はぁ…もう好きにして」 ココニャがため息をつく。その横で玉露が苦笑した。 と、そこへ旧王城の方から大きな声が響いた。 「まもなく仮装コンテストを開催いたします!エントリーがお済の方は…」 「ヒュース殿、コイヌ殿。始まるようだ」 玉露が立ち上がる。喫茶店を出て旧王城へ。ココニャとマンチカンも続いた。 「やばい、もう時間がない!…コイヌ、こうなったら勝負するぞ!」 「いいだろう!お前とは前々から一度戦いたかったしな!」 腕まくりするコイヌを見て、ヒュースが制止する。 「誰も戦うって言ってねーだろ!ばーか!」 「ビビってんじゃねーよ!」 「ちげーよ!今からコンテストだってのに怪我したら元も子もないだろ!それはまた今度な」 「じゃあ、どうやって決めるんだよ?」 「じゃんけんだ」 「…ほぅ。いいだろう」 2人が対峙する。 「じゃーんけーん…」 一呼吸おいて… 「ほい!!」 そして、色が決まった2人も旧王城へと向かった。
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