序章

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一方その頃。 中央広場には元廃棄島管理人たちが揃っていた。 スイーツ国を追放された身だったが、3ヶ月前の「白タイツ事件」の貢献者であった事と、国のトップが変わった事で許されている。 彼らは仮装コンテストに参加するために集まっていた。 提案者はザッハトルテから帰ってきた伯爵だ。 「みんなで参加しよう☆」 伯爵の提案に、おじいさん、サンタクロースとトナカイ、ウィリアム(嬉)が面白そうだと賛同。ジョバンニには最初断わられたのだが、おじいさんとポチが波状攻撃した結果、参加してくれる事となった。これで元廃棄島管理人たちは全員揃った。相棒のワルうさも「嫌な予感がする…」と言いつつ、参加してくれる事となった。 それから伯爵はワルうさにも隠れて、徹夜しながら衣装を作った。 みんなが驚く顔を想像しながら。 当日喜んでくれる事を期待しながら。 そして今。 みんなに初お披露目した。 すると。 「お前…ふざけてるだろ!」 ワルうさが怒った。 ちょー怒った。 「私はいつでも真剣だよ☆」 「うそつけ!」 カンカンだ。それを見ておじいさんが仲裁に入る。 「まぁまぁ、ワルうさ君。気持ちは分かる。わしもみんなも恥ずかしいぞ?じゃが今日はお祭りじゃ。伯爵がせっかく作ってくれたものじゃし、そんなに怒りなさんな」 「わんわん!」 ポチもそうだそうだ!と言っている。 「お前らとは事情が違う…」 そうなのだ。 ワルうさは伯爵が徹夜でウキウキしながら何やら衣装を作っていた事を知っている。ただ単に恥ずかしいだけならば、せっかく伯爵が楽しそうにしているのに水を差すのもかわいそうだし、ワルうさも我慢しようと思っていたのだ。 だが、これは…無理だ。 伯爵の作ったもの。 それは着ぐるみだった。 …ワルうさの。 ワルうさの着ぐるみである。 ワルうさがワルうさの着ぐるみを着る事になるのだ。 しかもデフォルメされて妙に可愛らしくしているから、ワルうさには余計に無理なのだった。
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