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「いよいよ始まったね!楽しみだ~!」
魔法国王・もふうさ。
彼は仮装コンテストを王城から眺めていた。
城の広場にはステージが用意されており、エントリーしていた人達が次々と仮装した格好で練り歩く。ハロウィンの格好をしたり、サンタクロースの格好をしたり、何やらめんつゆのかぶりものをした団体さんや、白タイツを履いた団体さんなどなど。
「あ、あれは…」
しばらくして現れたのはワルうさーずだ。
皆がワルうさの着ぐるみを着ている。ノリノリで華麗に舞う人もいれば、嫌そうにしながらステージを歩く者もいて。見た目は統一感があるものの動きはバラバラで残念な仕上がりだった。
その後現れたのは…
知事5人で結成された戦隊ヒーローだ。
「スイーツ戦隊!」
「チジ!」
「レン!」
「ジャー!!」
「…台詞ない!Σ(°□°;)」
マスクをかぶっているので誰がどの色なのかは分からなかったが、全員見事にポーズを決めている。特に黄色はカレー片手に格好よくポーズを決めている…と、ヒーロー好きのもふうさには映った。
そのヒーロー達の敵として現れたのは、背中に「出汁命」と書かれたペンギンの着ぐるみを着た2体の怪物だった。
セウーとピットである。
ヒーローは一度負けそうになりつつも、見事2体の怪物を倒してステージ上から立ち去った。
「かっこいー!!」
もふうさの目がキュピーンと光ったのを見て、シロップがちょっと引いた。
「好きなんですか?」
「もちろん!ボクだけじゃないよ!オトコなら誰だってヒーローは好きなものさ!」
と、言いつつもふうさが戦隊のポーズを真似する。シロップはさらに引いた。
「そ、そうですか…」
コンテストの審査員は主催者でもあるもふうさだ。今回はチジレンジャーが優勝となりそうであった。
「もふうさ様、ワインをどうぞ!」
と、そこへ13人の精鋭のいちごムースが元気よくワイングラスを持ってきた。
「ありがとう」
もふうさがグラスを右手で取り、口に近づける。
だが。
「ダメだ!!」
と、いきなり大声が響いた。背後から誰かが現れ、もふうさに手刀する。
「痛っ!!…え?え!?」
右手に痛みが走る。ワイングラスが地に落ちてパリンと割れた。
もふうさが慌てて顔を確認する。
そこにいたのは…外交官のアルベルトだった。
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