8人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう…帰してください。」
震えた声で、身体でそう言ったナツメはまるで捨てられた子犬のよう。
「嫌だよ。」
「…っ」
ナツメはなんてわがままなんだろう。
僕のお願いなんて、なにひとつ聞いてくれないくせに。
「ねえナツメ。」
「……」
「どこに、帰るの?前ナツメが住んでた部屋?」
ずっと黙って俯いてたナツメが僕の一言に反応して顔を上げた。
「前…?」
「そう、前の部屋。」
「まさかお前…っ」
最初のコメントを投稿しよう!