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喧騒なホールと一変して
休憩室は静寂そのものだった
誰も居ない休憩室に開放的になった僕は
4畳程の休憩室に仰向けに大の字になった
「あ痛たた~~~・・・」
横になった途端
立ちっ放しだった身体が悲鳴をあげる
最近運動らしい運動してないしな…
彼女が来た時にこんな格好してたら笑われるかもな
そろそろ起きた方が・・・
頭ではわかっているんだけど、睡魔が襲ってきた
ほんの少し・・・少しだけ
僕は欲望に屈し眠りに落ちてしまった
zzz・・・
『ツン』
「う・・・ん」
『ツンツン』
「ん・・・ん」
お腹を誰かが押してきた
僕は薄く目を開けてみると
「おはよ 晴クン」
目の前には彼女がいた
「お…御坂部 いつからココに…」
「ついさっき
来たら晴クンが可愛い顔で気持ちよさそうに眠ってるからツンツンしちゃった♪」
彼女に寝ている姿を見られたのと
可愛いと言われた恥ずかしさから僕の顔は真っ赤になった
「アハハ 顔真っ赤だよ晴クン」
「か…からかうなよ」
僕が怒りっぽく返事をすると
「ゴメンゴメン
怒っちゃヤ~よ」
世代にそぐわない「○村けん」の口マネをする彼女は時計を見るなり
「あっ!休憩時間過ぎてる!
晴クン!ホールに戻らないと」
そう言うと
突然寝ている僕の腕を引っ張り、ホールへといざなう
彼女の手に触れた僕は
『今日はやっぱりいい日だ…』
休憩時間を過ぎたことなどどうでも良かった
その日
終始幸せなまま、僕のバイトは無事終わった
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