【第1章】1月1日プロローグ

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考えてみれば あの日が変化の始まりだったのだろう… 1月1日のあの日 僕は大学1年生の冬休みを実家に帰らず、一人アパートで正月を迎えた バイトなどでお金を稼ぎたい事もあった それに初めての一人の正月がどんなものかを体験してみたい気持ちもあった まあ、実際のところ寝正月になったわけだが… その日は 前日の12月31日に夜更かししていた事もあり、昼過ぎまで寝ていた。 学校はもちろん、バイト先も休みだったし… 身体の違和感は確かにあったかもしれない トイレで用を足そうと股間をまさぐっていたが、大事なイチモツが縮んでいたのか見つからず その時は寒さでさらに縮んだのだろうと、さして疑いもせず座りながら用を足した あと身体も何となくダルさがあった それでも昨日の夜更かしが体内リズムを狂わせた影響だろうと深く考えもしなかった 結局 元旦のその日はどこにも出かけず、冷蔵庫にある物を食べ、お風呂にも入らず、顔も洗わず、さらに一言も声を発する事も無く、ゴロゴロとテレビを見たりして過ごした いま思えば 買い物に行くために着替えたり お風呂に入る為に服を脱いだり 顔を洗うために洗面所で鏡をみたり 声を発していれば 僕に起こった『変化』に一早く気付けたのかもしれない 次の日以降に異変に気付いたのか、だって? 気付かなかったよ なぜなら次の日 僕の体には何の異変もなかったんだから…
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