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1月3日
朝…とは呼べない時間
「…眠い」
睡眠時間8時間はゆうに取っているのだが、19歳の僕にとってはどんなに寝ても寝足りない
生活にしても時間の制限も縛りも無い
昨晩から先輩の家で麻雀大会に興じ、帰ってきたのは朝方の4時頃だった
現在11時過ぎ
しばらくベッドの上の天井をボーッと見ていたが
『ブルルッ』
突然身体に悪寒が走った
部屋の気温が寝ている間に一気に下がったのだ
先ほど見た時計には寒暖計もついていたので、あらためて見てみると、気温は2℃を表示していた
「寒い…」
それもそうだ
僕が居る場所
実は日本で最も北の領土『北海道』だ
その北海道でも『道東』に位置する所にある大学で僕は学生生活を送っている
「午後からバイトだったな…」
今のご時世、サービス業は盆暮れ正月関係なく開店しているのが当たり前で、飲食店ならなおさらだ
ちなみに僕のバイト先はフランチャイズの小さなファミレスで、僕はウエイターをしている
始めたのは冬休みのちょっと前からだ
それまでは学業にいそしんだ…
これは冗談ではなく
実は先輩に
『1年生のうちは様々な授業に出てテストを受けて、取れるだけ単位をとっておいた方が良い』
と言われ、冬休みまでの間はがむしゃらに授業に出た
そのおかげでバイトも出来ず、生活もカツカツの状態だったというわけだ
今日は年明けの勤務で、先月のお給料がもらえるので、是が非でもバイトを休むわけにはいかなかった
先ほど点けたファンヒーターの暖房がフル回転し部屋を暖めていく
『そろそろいいかな…』
室内の気温も15℃を表示したため布団から出ることにした
ベッドから降ろした足が絨毯に触れる
温まりきっていない絨毯はヒンヤリとしていて気持ち良い
あまり時間に余裕がないのを時計で確認し、
僕はいそいそと仕度を始めた
「よし…行きますか」
準備が終わり、僕は扉の前に立つと、外の寒さに備えるためコートのジッパーを一番上まで上げて、突き刺すような冷気を体に受けてバイト先へと徒歩で歩き始めた
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