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歩いてバイト先に向かう間、僕の事と住んでいる街について話そう
僕の名前は
『神宮寺 晴(しんぐうじ はる)』19歳
去年の春、1年の浪人生活を経て念願の大学入学を果たした
僕の出身地は東京なんだけど、大学は喧騒な都心部からいくらでも離れた場所に行きたいと思っていた
…というのはタテマエで
実際のところ…僕の知能で合格出来るのは地方の私立大学しかなかったのが本音
それでも前述したように
親元を離れ一人暮らしできることが僕には何よりも嬉しく、北海道に行くことを咎める理由は何もなかった
浪人生活から抜け出せて有頂天になっていた僕は、今までしたことのなかった髪の毛にカラーを入れて茶髪にしてみたり、北海道でバイクに乗れるかもと自動二輪の免許を取った
茶髪になってお披露目した親を驚かせようと思ったが
親の反応は
「可愛いくなった…」
だった
実は僕の身長は低く、160センチに満たない
加えて母親の童顔が色濃く遺伝したのか、よく女子と間違われる
今いる大学の友人も初めはナンパ目的で近付いたと、最近聞いた時はショックでボウズにしようかと思ったくらいだ
コンプレックスになりそうなこの体型だが、良い点もある
対人関係のウケが良い事だ
誰もがこの体型を不憫に思うのか優しくしてくれる
バイトの面接でも店長から、接客のウケが良いだろうとホールスタッフに即採用となった
だから今は前向きにこの体型を人徳(体徳!?)として重宝している
あと、せっかく取得した自動二輪の免許だが
今のところ乗る機会はない
金銭的な都合もあるが、体型的な面もあって身体にあった小柄なバイクが無いのも理由の一つ
できる事ならスクーターではなく跨るバイクに乗りたい
今のところ、移動には友人の車に便乗しているので不便はバイトの時くらいだ
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