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「ん~ 閲覧者は400人くらいはいたかな~」
ところ変わってここはプールサイドに設けられたフードコート。晶ちゃん達と合流してランチを食べているところなのだが、僕はさっきの事が気が気でならず、キノちゃんに配信していた時の視聴者数を聞いていたところだった。
「Σ(゚Д゚;エーッ! (;´Д`) うぅっ。。(*ノωノ)カズカチー…」
そんな人数に顔はおろか、水着姿をお披露目してしまった恥ずかしさに梅干しみたいに真っ赤になる。
「雪ちゃん カノみたいw」
「Σ(゚Д゚;エーッ! ꉂꉂ(*´∇`*)ケラケラ (*´ᗜ`*)ケラケラ♪」
「すごい反響ですよ!さっきから『雪ちゃんカワ(・∀・)イイ!!』とか『雪ちゃんって芸能人?』『雪ちゃんまた出して!』ってコメントが後から後から」
「い 言ってよぉ~ 色々と ぼ 私にも都合が…」
カノ・キノちゃんはともかくとして、晶ちゃんは僕の事情を知っているはずなのに、ユーチューブに『雪』が配信されたことを意に介さない様子。あれ、ひょっとして僕だけが心配しすぎているのかな…。
「雪ちゃん 今度二人でユーチューブ立ち上げません?ぜったいバズりますよ」
「ウチもカノのマスクかぶって出る」
「(「・ω・)「がおー」
晶ちゃんやカノちゃんも一緒になると、それはそれで楽しいような気も一瞬したが、よくよく考えると喋るのってキノちゃんと僕だけじゃん。コミュ障の二人はマスクかぶって踊ったりしてるのかな…
「ぶふぉっ」
「どした?雪ちゃん」
「(・・?」
「ん いや 晶ちゃんとカノちゃんが語らず黙々と踊っているのを想像したら可笑しくて吹き出しちゃった」
僕の笑いに始めポカーンとしていた二人だったが、晶ちゃんがおもむろに両手を振りパラパラダンスを始めた。
「ウチは踊れる カノは四股踏む」
「ゴッチャンデス テ (゚Д゚)ゴルァ!! ウッ┗(~o~;)┓[胸]┏(;~o~)┛ハッ[揺れぬ壁]´,_ゝ`)ププーッ」
「「ポコポコ(o`・ω・´。)ノ☆\(。`・ω・´o)ポコポコ」」
また可愛いケンカが始まった。こうして見ると、なんだかキノちゃんが一人妹で晶ちゃんとカノちゃんが二卵性の双子による3姉妹みたいに見える。とりあえず、ユーチューブの件は現実的に無理と判断し、丁重にお断りすることにした。
その後軽い昼食と休憩を終えた僕らは、心残りがない程度にアクアリゾートを堪能し、いよいよ水着姿ともハイサヨナラできるものかと思っていたら
「それじゃー 温泉入って 帰りましょっか」
キノちゃんが閉めにとんでもないことを口出した。
「えっ! あ いや 私は遠慮~ !!」
『ガシッ!』
『ガシッ!』
言い終わる前に双子の姉妹が僕の両腕に引っ付き拘束する。こういう時の二人は本当に阿吽の呼吸と断言できる。素晴らしいチームワークだ。などと褒めている場合じゃない!
「あ だ ダメ きょ 今日は アレだから!」
動揺していたとはいえ、僕もとんでもない言い訳を言ったものだ。ただ、断る理由としては理にかなっている。
「いぁ だったら プール入れないし」
「・・・そうだったぁぁぁぁ!」
「連行」
「(・_・ )―――――C<―_‐))))))ズリズリ」
「え だめっ ちょ まっ!」
晶ちゃんとカノちゃんは両脇をそれぞれ抱え、地べたに長座していた僕を背中向けに強引に引っ張ろうとする。するとお尻は地面についているわけだから、摩擦でパンツがずり落ち半ケツの状態になる。
パンツの位置を戻したいのに両脇を抱えられているため、戻すことも叶わない。
「だめっ!パンツがずり落ちちゃっ!いやぁぁぁぁ!
わ わかったから 行くから!いくからはなしてぇぇぇぇぇ」
その後、逃げ場のない状況で僕は人生初の女湯デビューを果たした。
その時の記憶はほぼなく、お湯にのぼせたのか、女性の裸に当てられたのか分からないが、帰路時の僕は廃人のようになっていたと、晶ちゃんは言っていた。
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