1月3日 僕の生活

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あとは 僕が住んでいるこの町の事について この町は人口2万人程度のオホーツク海に面した小さな町 水産業がこの町の支えであり、夏はホタテ、秋は鮭、冬はカニと粒ぞろいの海産物を取り扱っている それに加えて大学があることで、商業施設もそれなりの潤いを得ている 夏場はこれといって観光の目玉もないのだけど、冬場はある この町の最大の売り(欠点)は 『寒い』ということ 1月になれば気温がマイナス10℃にもなり、オホーツク海に『流氷』が漂着すると、寒さは倍増する そんな流氷を観光の目玉にするために『流氷館』なる施設を作って、冬場の観光客集めに必死になっている 流氷館の中では流氷下のタラバガニや『クリオネ』が見れるなど、それなりに見る価値はある ちなみに僕は1回行って、あとは4年間で行く事はないと思っている そんな町に大学ができ、学生が住んだことで活気づいたこの町 実はファミレスもコンビニも出来たのはつい最近で、それまでは近くのコンビニに行くのに3時間もかけて行かなければならなかったらしい 僕ら1年生にとっては『戦争を知らない子供たち』のごとく『コンビニが無かったことを知らない子供たち』なわけだ よく先輩には「恵まれている」と揶揄を込めて言われる 話しているうちに話題の僕のバイト先が見えてきた 僕がバイトしているファミレスも学生の恩恵があってこそ繁盛していると言っても良い だからそれなりに忙しいし、実入りもなかなかのものと聞いている(実際給料はまだ貰っていないから) このバイトは僕にとっては天職かもしれない バイトの間は食事も出るし なにより 僕が気になっている女の子と一緒に働けるのが 一番幸せだからだ
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