17人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
土の匂…?
風…?
草の匂いも…
ん?土に風に草…?
ガバッ!!
起き上った私の目の前には―――
「―――こ、ここ何処…?」
図書館にいたのに、大きな桜の木が一本ある丘にいた。
桜はあと少しで満開といったところ。
草はふかふかの布団のように柔らかくて、日向ぼっこをするにはもってこいな場所みたいだ。
空も青く澄みわたっていて、気持ちが良い。
「――ってそうじゃなくてッ!!」
辺りを見渡しても“丘の上”ということしかわからない。
他に何かわかるような目印や建物もない。
まるで自分一人が取り残されたような、そんな感じさえする。
「と、とりあえず、ここに居ても仕方ないし…」
こういう時、動かないで助けを待つ方が良いかもしれないが、確かにジッとしていても埒が明かない。
『一か八かの行動あるのみ』である。
最初のコメントを投稿しよう!