出逢い

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土の匂…? 風…? 草の匂いも… ん?土に風に草…? ガバッ!! 起き上った私の目の前には――― 「―――こ、ここ何処…?」 図書館にいたのに、大きな桜の木が一本ある丘にいた。 桜はあと少しで満開といったところ。 草はふかふかの布団のように柔らかくて、日向ぼっこをするにはもってこいな場所みたいだ。 空も青く澄みわたっていて、気持ちが良い。 「――ってそうじゃなくてッ!!」 辺りを見渡しても“丘の上”ということしかわからない。 他に何かわかるような目印や建物もない。 まるで自分一人が取り残されたような、そんな感じさえする。 「と、とりあえず、ここに居ても仕方ないし…」 こういう時、動かないで助けを待つ方が良いかもしれないが、確かにジッとしていても埒が明かない。 『一か八かの行動あるのみ』である。
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