17人が本棚に入れています
本棚に追加
人に…異性に頭を撫でられたことがない夏音だが、何故か嫌ではなかった。
(相手が葵…だからかなぁ…)
とか思ってみたり。
そこでふと思う。
「ねぇ、葵」
話かけられてもなお頭を撫でる葵。
そんな葵を見ながら思ったことを口にする。
「葵はさ…気にならないの?私が何処から来たとか」
普通なら気になるはず。
この時代の服装ならまだしも、現代の服装。
たぶんこの時代の女の人は足を出さないはず。
制服のスカートは短く、下手すると下着が見えるかもしれない短さ。
外国人と間違えられても仕方ない。
そんな夏音の気持ちを知ってか知らずか、こう答える。
「確かに気になるが…無理に聞くつもりはない。」
とても穏やかな、優しい声音に少し顔を上げる。
「なんで?」
すると葵は顔を赤くしながらそらしながら言う。
「む、無理に聞くことではないし、無理に聞いて夏音に嫌な思いをさせたくないのでな」
「///////」
(な、なんでそんなキザみたいな台詞言えるのよっ)
お互い赤面しながら無言になる。
嫌な沈黙ではなく、何だか照れくさい沈黙。
最初のコメントを投稿しよう!