葵

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人に…異性に頭を撫でられたことがない夏音だが、何故か嫌ではなかった。 (相手が葵…だからかなぁ…) とか思ってみたり。 そこでふと思う。 「ねぇ、葵」 話かけられてもなお頭を撫でる葵。 そんな葵を見ながら思ったことを口にする。 「葵はさ…気にならないの?私が何処から来たとか」 普通なら気になるはず。 この時代の服装ならまだしも、現代の服装。 たぶんこの時代の女の人は足を出さないはず。 制服のスカートは短く、下手すると下着が見えるかもしれない短さ。 外国人と間違えられても仕方ない。 そんな夏音の気持ちを知ってか知らずか、こう答える。 「確かに気になるが…無理に聞くつもりはない。」 とても穏やかな、優しい声音に少し顔を上げる。 「なんで?」 すると葵は顔を赤くしながらそらしながら言う。 「む、無理に聞くことではないし、無理に聞いて夏音に嫌な思いをさせたくないのでな」 「///////」 (な、なんでそんなキザみたいな台詞言えるのよっ) お互い赤面しながら無言になる。 嫌な沈黙ではなく、何だか照れくさい沈黙。
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