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如何にも怪しい…
そして怖い…
そう感じられずにはいられない少女は葵の後ろに隠れ、葵の着物の裾をぎゅっと握り様子を伺っていた。
夏音のその行動に少し驚きもしたが、何より出会って間もない自分を頼っているのだと思うと胸が温かくなり、何故か守ってやらねば。という想いにかられてしまう。
「組頭」
不意に呼ばれハッとする。
(いけない、今何を考えたんだ)
少し焦るもそれを感じさせない様、用件を言う。
「…首尾はどうだ?」
その声は先程とは違い、冷たく、感情が読み取れない。
ビクっと肩を震わせた夏音。
(え…あ、葵?)
一瞬、別人に思えた。
そう思うほど、葵の声が冷たかったのだ。
(ていうか…首尾って何?)
ここで夏音は葵の事を名前と新撰組にいるという事以外は知らないと気づく。
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