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「はっ。首尾は予定通りです。」
この人は誰なのだろう?
聞きたいが、口を挟んではいけないと雰囲気が告げている。
「そうか…“あの人”は何か言っていたか?」
(あの人?)
もう夏音の頭の中は???しかない。
「“事が済んだら早急に戻れ”と。」
そうか…
それきり葵は黙りこくる。
チャンスというばかりと遠慮がちに声をかける。
「あ、あの…葵?」
しかし葵は夏音の顔を見ずに、お面の男に告げた。
「わかった。早急に戻る。“あの人”に“一人連れて帰る”と伝えろ」
(…葵、無視したわね)
夏音は少しイラっとしつつ、先ほどと様子の違う葵とお面の男を交互に見る。
お面の男はそんな夏音に対してどうでもないように葵の言葉に従う。
「御意。」
そして暗闇へと消えていった。
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