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少しして、門番と思われる二人が立っている屋敷に着く。
一人は「お疲れ様です。」 と挨拶をし、もう一人は会釈をしつつ夏音をじーっと見ている。
それに気付いた夏音はまた葵の後ろに隠れた。
「すまん。帰りが遅くなった。副長に女子を一人連れてきた。と伝えてくれるか?俺の“部下”には託けたのだが…」
申し訳なさそうに言う葵に
「はっ。畏まりました。」っと言い慌てて屋敷内に入っていった。
少しほっとした夏音に聞こえたのは賑やかな人の声。
残った門番の一人はさほど気にしていない様子。
葵を見れば…
「あの二人はまたやってるのか…」
そう呟いた顔は最早呆れていた。
よく分からないが、“また”という事は日常的な事なのだろう。
(新撰組って怖いイメージしかなかったんだけど…賑やかな所なのかな?)
勝手なイメージを膨らませていると葵がまた手を引く。
「ここに居ても埒があかぬ。行くぞ」
行かないという選択を与えてはくれないようだ。
覚悟を決め、夏音も葵の後ろをついて行く。
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