過去の日常

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「…………てめぇら、何、人の部屋の前で騒いでやがる!!」 土方という男は二人に怒鳴り、平助と新八は顔を真っ青にしている。 「―――で、何してんだ?俺の部屋の前で…」 明らかに不機嫌な顔と雰囲気を醸し出しながら二人に問う土方はまさに『鬼の副長』そのもの。 「「い、いや…何でもないです…」」 さすがの二人も土方の怖さには勝てないようだ。 土方も自覚している分、質が悪い。 隊の規律を守るためには局長の近藤よりも、副長の土方の方がしっくりくるのだろう。 土方が「鬼の副長」と呼ばれているように、「仏の副長」も存在する。 平助と新八が縮こまっていると隊士の一人がこちらに来るのが見える。 「ひ、土方副長!」 どうやら急ぎの、急を要する事態のようだ。 「どうした?」 「そ、それが…!!」
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