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「あ、彼氏ゆうても、ほんまのんじゃなくて、彼氏のフリやけど」
怪訝そうな、私の顔を見てアレックスは慌ててそう付け加えた。
フリ……。かあ。でもね。
「アレックス、ありがと。気持ちは嬉しいけど、それじゃあ、ちょっと困る。
私はフツーに恋がしたいから、いっちゃんとの賭に勝ちたいの。フリでも彼氏がいたら恋愛できないし……。
今日、友だちになったばっかりの人に彼氏のフリをしてもらうのはちょっとね」
アレックスは、一瞬とっても残念そうな顔をした。けどその表情はほんの一瞬だった。
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