ゲームは気づかないうちにはじまってしまった

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でも……。いつものいっちゃんなら、私が男の子と接近しようものなら……。 たとえ相手が5歳児だろうがすっとんできそうだけど……。 あ、なんかモヤモヤしてきた。 「あ、アレックスから電話きた!」 「ちょっと、代わりなさいよ政信!」 私のモヤモヤは、アレックスからの電話で二人にはまったく気がつかれなかった。 「遅なって、ごめんなー。ちょっと思うてたより時間かかったわー」 アレックスはにこやかに池上家の玄関に現れた。 「「遅いっ!」」 紗英ちゃんと政信はそう言いながらも、二人とも目がランランと輝いている。 「せやから、ごめん。はい、これ」 アレックスが、ヒスパラの最新作を二人に差し出すと、紗英ちゃんと政信はきゃあきゃあ言いながら、私とアレックスを玄関に取り残して、リビングで待機している、テレビに向かって走り出した。
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