ゲームは気づかないうちにはじまってしまった

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「あの、紗英ちゃん……」 「ええやん。二人ともなんや夢中みたいやし、行こ」 「……うん」 一応声は二人には声はかけたけど私の声は届いてるんだかどうだか。 「じゃあ、こっちね」 アレックスは屈託のない笑顔で頷いた。 「フツーの部屋だけどどうぞ」 「ありがと」 部屋に案内すると、アレックスはキョロキョロと部屋の中を見回した。 「ね、別にフツーでしょ?」 「フツーかどうかはわからへんけど、なんか意外やね」 「え?」 「色遣いが。もっとピンクとか原色がいっぱい飛び込んでくるかと思てた。俺の妹の部屋とかそんな感じやし」 「そう?」 地味って言われたのかな? ベージュやモスグリーンのカーテンやベッドカバーのせいかな。
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