ゲームは気づかないうちにはじまってしまった

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キャビネットの上に置いてある、いくつかの写真をアレックスはじっくり眺めた。 「政信はまあほのかの弟やからあたり前やけど、なんか、常に紗英ちゃんがおんねんな」 「あはは。だって赤ちゃんの頃からの友だちだもん」 「ん、これ誰?」 アレックスは、写真の中に常にいる紗英ちゃんじゃない人物を指差した。 「あ……」 いっちゃん……。 「えっと。その人も幼なじみ」 「なんか、えらいほのかにべったりって感じやけど最近っぽい写真には写ってないんやね」 そりゃあ、いっちゃんはこないだ帰国したばっかりだし。 「アメリカに留学してたからね。ねえ、アレックスって妹がいるの?」 なんとなくいっちゃんの話題は避けたかった。 「おるんや。双子の妹」 「双子!?」 「そう。髪と目は同じ色やけど顔は全然似てないけどな。めっちゃかわいい。あ、ほのかも、もちろんかわいいけど」
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