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「ほのか、一ノ瀬さん来たから着替えて」
魔法使いの一人に一ノ瀬さんも入っている。向こうのエージェントに渡す写真集をつくるためもあるけど、ナツコさんとしてはそれ以上に重要な役割が一ノ瀬さんにはあると言っていた。
「昨日言っていた表情すぐ作れる?」
着替えを終えて、ナツコさんに軽くメイクしてもらった私に、カメラを向けた一ノ瀬さんはそう言った。
「やってみます」
ナツコさんはこう言ってたんだ。
「無表情の中にもある種の美が存在している事をアピールできなきゃダメ。わかりやすい笑顔を要求されない事の方が多いんだから」
自分の表情筋がどれくらいの力でどんな風に動いてるか自覚する事。
だって。確かに鏡に映る自分の顔と、一ノ瀬さんがとる私の顔って少し違う気がする。
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