魔法使いが一人では足りない

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「ん。大分いい。この前より全然早いよ。それキープ。キレイ、キレイ。ほのか、それ、多分それが、喜怒哀楽隠した状態で、最上級だから」 第一印象は最悪だったけど、一ノ瀬さんは、私をノせるのが上手い。本当にキレイになった気がするし、実際一ノ瀬さんの撮った私はキレイだった。 プロって、すごいな。 すべてが終ってから、私は前から、一ノ瀬さんに、前から聞いてみたかったことを聞いてみることにした。 「一ノ瀬さん、前に『本当に芸術ってものを理解できるのは何%くらいだと思う』って言ってましたけど、私にはよく分からなかったんですけど、どういう意味だったんですか?」 「あれ、彼氏に教えて貰わなかったの?」 「なんか、そういう事話す余裕なくて聞けなかったんですけど、気になってて」 一ノ瀬さんはプッと噴出した。 「彼氏って、今日は認めちゃうんだ?」 「彼氏……。じゃないです。好きな人です」 言いながら自分の頬が熱かった。 .
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