魔法使いが一人では足りない

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「一ノ瀬さん、ありがとうございます。私の仕事引き受けてくれて」 思わず、そう言うと一ノ瀬さんは大事そうに丁寧に片づけている機材から私へ視線を移した。 「ほのか、そういう卑屈な事言うと、後ろに立ってる人の頭の血管切れちゃうから、やめな。僕なんかより、彼女の方が君に入れ込んでるんだから」 私の後ろで、立っていた、ナツコさんが、動く気配がする。 「一ノ瀬さん、この子に与えるプレッシャーのさじ加減は私が決めていいことになってるんだから、そういう事言わないでいただけるかしら?」 「ナツコさんはホントに男気のある、いい女だね。じゃあ僕はもう帰るよ」 一ノ瀬さんは、私が前から抱いていた疑問には答えてくれたのだけど、今度は新たな疑問を置いていった。 .
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