魔法使いが一人では足りない

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身体の使わなかった筋肉という筋肉が悲鳴をあげてる気がする。 「はい、もう一回、歩いて、そう、ああ、腕、足!!」 ただ、歩くだけ、それだけのはずなのに意識しないといけない。でも意識しすぎるとダメってウォーキングの先生は言う。 「ほのか、イメージ。イメージよ一番大事なのはそれ!!上手く歩けてる自分!!」 この先生が一番スパルタだ。しかも言ってる事がわけが分からなかったり、妙に分かる時があって、結局、 歩く、歩く、歩く、正解が出るまで、歩いていくしかないみたい。 「諦めないで!!」 あー。これ一番言われたくない言葉なの。諦めたくないからやるの。 いっちゃんの事諦めたくないから、こんな無理難題やる気になってるのに……。 ほんと泣きたくなるよ。でも私決めてるんだ。 私、もういっちゃんの前以外では絶対泣かないって。 きっと今までもそうだったんだろうけど、これからは、自分の意思でそうするって。 いっちゃんが、私の事思い出したら、いっちゃんの前で、土砂降りみたいに泣くんだって。 .
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