魔法使いが一人では足りない

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「いいから、早く!」 ナツコさんのちょっとドスの聞いた男っぽい声を初めて聞いた。これは冗談とかではない。 そう思ってあたふたと脱いだ。パンツまで脱ごうとしたら、こんどは逆にナツコさんがぎょっとした。 「それは脱がなくていいから!」 あ、そのほうが私も助かるけど。 脱いでから、真っ直ぐ立つように言われた。 ナツコさんはありとあらゆる角度から近づいたり、遠のいたりして……。 どうやら私の身体を点検しているみたいだった。 それから、あのメジャーで私のサイズを計ってメモすると、麻衣子ちゃんの方を見た。 「麻衣子様? いくらかかっても構わないんですよね」 「ええ、奇跡が起こせるなら」 「奇跡までは、この子には必要無いと思いますが、時間がないので」 「私、ナツコのそういう考え方好きよ」 二人は、顔を見合わせて微笑んだ。 共犯関係が成立したみたいで、私はこの時少しだけ寒気を感じちゃった。 まあ、ほとんど、全裸だったからかもしれないけど。 .
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