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「イチヤ、ねえ、ここにいるの？ 開けなさいよ」
いっちゃんの事を呼び捨てにしてる女性の声がした。
その声がサンドラの物って事は、いくら私が馬鹿でも、分かった。いっちゃんから受けとった携帯電話を思わずギュッと握りしめる。
「ああ。今開けるから」
そう言って、いっちゃんはドアを開けると、サンドラを中に入れずに自分から外に出たみたいだった。
声がドアの外側で響くのを確認してから、私はため息をしっかりついて、緊張した身体から力を抜いていく。
握りしめていた携帯電話を眺めているうちに、やってはいけない事だけど、携帯の中を見てしまった。
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