呪文のない魔法

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「ふふ。久しぶりに、年甲斐もなく、力技でいっちゃったわね」 「私あの時『ぎゃふん』って音が聞こえたような気がしたよ」 「一気に仕事しやすくなったから、よかったわ。さあ、それよりも、衣装とそのグシャグシャのメイク、なんとかするわよ」 ナツコさんはそう言って、私のメイクを綺麗に落とし始めた。 私はクラッチバッグの底に大事にしまったお守りが、次に震えるのはいつだろうと思いながら、ナツコさんの指示通り、瞼を閉じた。 .
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