呪文のない魔法

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これって、どれくらいするもの? 何秒くらい? いっちゃんの、乾いた唇の感触に、心臓が半回転しそうなくらいドキドキしながらそんな事を考えていたら、 舌が入って来た。 え? 申し訳程度に、よりそっていた、身体が、大きな腕に引き寄せられる。 そこからは、何も考える事ができなかった。 私の身体の細胞の一つ一つが喜んでいるみたいな感覚に任せて、目を閉じた。 涙が、私の意思とは関係なしに頬を冷たく、濡らした。 .
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