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りおが、そんなひなたを見てクスッと微笑むと話し掛けた。
「じゃあ、食べたらまた閉じこもるのね」
「あぢ…うん。描き上げないと…こわひ…」
ちらっとカガミネコを見て、小声で答える。
「ネコたんは優秀な秘書だから」
「ネコたんって、ぱっと見人間と変わらないから、最初は人間だと思ってた」
ちびちびと、両手でカップを持ち飲むひなた。
「なんだか居着いちゃったの。じゃあ、ブランチを用意してくるわね」
りおは、ひなたに微笑みかけ台所に向かった。
かほと泥の付いた洗濯物を集めるスゥ子を見て、ひなたはポツリと呟く。
「あれが…りゅーたんが女体化させたタッスウマニアデビル」
今日のスゥ子は、ツインテールの髪型で魔女っ子アニメ風の服装だ。
「あの服…誰が選んでるのかな?」
ちびっ。
珈琲を飲むひなたの後ろから
「ワタクシデス」
音も立てずに近寄ったカガミネコが耳元で答える。
「ひぃー」
そして、音も無くまた立ち去るカガミネコを見てひなたは
「こわひ…」
と、また呟いた。
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