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籠の中には隣の猫が寝ていた。 「りゅーたん…これ…」 かほが、隣の猫を見て絶句する。 「腐腐腐、良い実験データが取れたでつ」 「実験データ?コレが、その結果なの?」 かほがひきつり笑いを浮かべる。 籠の中で寝る隣の猫は、確かにアノ猫だ。 しかし、その姿は流星の動物実験により随分変わっていた。 「スゥ子は顔が気に入ってるみたいだったので、上半身は猫のままにしたでつ」 にゅる。 にゅる。 隣の猫が、寝返りを打つ。 「ひぃっ。動いた!りゅーたん、動いたわ」 「当たり前でつ。生きてるでつぉ」 にゅる。 足の一本が、籠から飛び出す。 「りゅーたん…コレ、どんな生き物になるの?」 かほに問われ、流星は暫く考えて、にぱっと笑い答える。 「イカ猫!!イカ猫でつ」 そう、隣の猫は下半身がイカに変わっていたのだ。 流星の実験で、イカと合成され上半身は猫、下半身はイカ足の世にも奇妙な生き物に変わっていた。
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