空は誰の上でも青い

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時は少し遡り、メッサー達は… (おいメッサーの!そろそろ良いだろう?) (そうだな、先生方なら何かしらしただろう。) 「くっ・・・このままでは突破されてしまう!」 「どうする!これ以上は限界だぞ!」 「そんなこと言ったって…」 と、弱みを見せてやる。すると… 「今だ!奴らは攻撃してこない!司祭様の言うとおり全員で突撃だ!」 「「「オオオオオ!」」」 なんと御しやすい事か。 神を信仰し、平民街でぬくぬくと暮らしてきた民衆にはスラムのような”自分の意思”がない。 「うあああやられたー」 「おい撤退だ!ひきあげるぞ!」 だから、スラムの人間がいなくなっても誰も気にしない。 もともと目の上のたんこぶ…いや目の下の吹き出物位にしか思っていなかった連中が、消えようとどうでもいいのだ。 精々、「チッ!汚らしい奴らめ!」と罵るくらいだろう。 メッサーはイラッとして反撃してやろうかと思ったが、アンネにより抑制され、中指を立てるだけで済ませ退避した。 そして倉庫の扉を蹴破りバリケードを突破し、入り込んだ民衆は開いた窓と、階段のように積み重なる机などをみて理解する。 「奴らは外だ!窓から逃げ出したぞ!」 そうして民衆は外へと出ていき、やかましかった教会内は静寂を取り戻した。 そして現在、エマは堂々と正面から侵入。 『懺悔室はこっちだよ。隠し通路は椅子の下さ』 「と、素直に行かせちゃあくれないみたいだぜ。」 エマは歩みを止め、刀を抜いた。 「出てこいよ。その気配、知ってるぜ。」 「バレましたか。やはり、あなたに目を付けた私は間違ってなかった。」 「そりゃどうも。」 「先日のあなたの殺気は素晴らしいものでした。名刺は見て頂けましたかな?」 「破いて棄てたわ、すまんな。」 「……まぁ、それはいいでしょう。今はこうして敵対しているわけですから。」 「へぇ?わかってるじゃあないか。どうしてそう思った?」 「簡単ですよ。敵だろうがそうじゃなかろうが、あんな殺気を放つ時点で同じ釜の飯は食べられないでしょう?”最初から仲間では無い”だけです。というか、先に抜いたのはあなたですし、敵意を向けたのもあなたですよ?」 「・・・・・・そりゃそうだ。わざわざ聞く事もなかったか。じゃあ、大人しくやられてくれないか?」 「御冗談を。折角の強敵の機会なんです。楽しみましょう…”彼は”何もしませんでしたから」 ガイン!! 突如刀と刀が交差する。 「てめぇがアキラをやったのか!!!」
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