覚醒

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「今の憂が俺を好きだって言ってくれた時は……… 嬉しすぎて…本当、自分を見失った…… ……でも…… 忘れらんねぇんだよ いつも震えながら泣いてたあいつが………… あの震えた身体の感触が忘れられねぇんだよ……… それなのに………アイツを抱くなんて………… ……できねぇだろ……?」 途切れ途切れに、泣きそうにかすれた声が廊下に響いた 「…亮ちゃん… 気持はわかるわよ? でも、そしたら今の憂は? 今の憂が可哀想じゃない 記憶がなくて、一番辛いのは憂のはずよ?」 頭では理解している でも亮にとってはどうしても整理がつかない 「……俺…… 俺……もう…駄目かも…」 晶は今の今まで、こんな弱気な亮を見た事がなかった 二人は黙ったまま静まりかえった廊下で立ちほうけていた
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