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「………に私が記憶を思い出せばいいわけなんだ」
病室で憂が晶にむかってそう呟いた
「だ、大丈夫なの?」
倒れて運び込まれたと聞いた時は、心臓が止まりそうなくらいに驚いた
けれど、すっかり落ち着いた様子の憂に胸をなでおろす
「ふふ」
不敵な笑みを浮かべ、憂は続けた
「二重人格なわけじゃないよ?晶」
憂のその言葉に晶はビクンと反応した
「――え?」
と、とぼけたふりをしてみたが
「私、そんなに内気なわけじゃない
自分は死んじゃうと思ってたから、何もかも諦めてたけど
卑屈だっただけ
その気持ちは、きっと皆にはわかんないだろうけど」
そんな憂を真顔で晶が見つめる
「奴隷、奴隷って言ってた………仕返し。」
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