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「私、――
一回も亮に好きって言ってもらってない」
まっすぐ前をむいたまま歩き続け、こちらを向く気配もなく、淡々と憂が話す
亮は答えられずにいた
「勝手だよ」
とどめの一言を言われ、返答できなくなってしまった
妙な圧力を感じながら、黙ったまま家に向かう
何でまたうちに来るとか言い出したんだ
亮は憂が何を考えているのか全くわからないまま、気が付けば家についてしまっていた
「……」
睨みつけるようにまっすぐな瞳で憂が微笑む
悪魔だ、悪魔がいる
なんて元気なんだ
倒れたなんて思えないほど元気だ
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