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「さいっ低!!!」
病院の廊下で怒り狂った晶の怒鳴り声がする
――晶?
「いい加減にしなさいよ?何とか言ったらどうなのよ?」
晶の声だけが聞こえる
息を殺して耳を傾ける
そのまま静けさが続いた
沈黙を破り、晶がまた怒鳴った
「亮ちゃん!!」
何かもみ合うような音がした
「ふざけてんの?」
晶のその言葉が聞こえた瞬間
「……どうしても……無理なんだよ…………」
かすれた渇いた声がした
――亮?
「………俺…………どうしても………忘れらんねぇんだよ………」
悔しそうに呟くその言葉に力がなく、耳をすまさないとうまく聞こえない
「俺………憂の事…………大事なんだよ……」
――!!
「亮ちゃん………」
胸の鼓動が一気に高鳴った
ギュッと締め付けられる心臓
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