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「憂が俺を好きだって言ってくれた時はぶっちゃけ嬉しすぎて自分を見失った
――でも……
忘れらんねぇんだ…
いつも震えながら泣いてたあいつが…………
あの震えた身体の感触が忘れられねぇんだよ………
それなのに………アイツを抱くなんて…………
できねぇだろ…………?」
途切れ途切れに、泣きそうにかすれた声が廊下に響いた
込みあげてくる感情で息が苦しくなってくる
溢れ出る涙が止まらなくて、必死に口を手で押さえた
そんな……
……そんな風に大切にされてたなんて……
しめつけられるように胸が痛い
苦しくて苦しくて、涙が溢れかえる
記憶を無くす前の自分
記憶が無くなっていた時の自分
いつだって私は亮が大好きだった
ずっと一方通行だと思っていた感情は、無意味なものじゃなかった
そして私はいつだって…………
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