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「ちっ、煩え。」
朝っぱらから電話してくるなんて、いい度胸してんじゃねえか。
睡眠の邪魔した責任は取ってもらうからな。
しつこく鳴り続ける携帯を手に取り、寝起きの苛々した気持ちを抑えて電話に出た。
「……朝から何の用だ。」
《翔、おはよ。》
「隼人、早く用件を言え。」
《くすくすっ、朝から機嫌悪いね?》
「ちっ、煩え。寝てる俺の邪魔するからだろうが。」
《あははっ、ごめんね?今日は倉庫に来るの何時くらいになるか聞きたくて電話したんだ。》
「昼に駅前寄ってから行く。」
《分かった。今日は徹平の入学式だから、お祝いに御飯でもって思ってるんだけど?》
「ああ、そうだな。祝いに飯でも行くか。」
《了解!!詳しい事は後で決めよう。》
「ああ、じゃあな。」
通話を終わらせてベッドに身体を沈めたが、目が冴えて眠れそうにない。
「ちっ、仕方ねえ。起きるか。」
寝る事を諦めて、シャワーを浴びるために重い腰を上げた。
この時の俺は、また今日もいつもと同じ退屈な一日が始まる。
そう思っていた――…。
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