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熱いシャワーを浴びた後、リビングのソファーに座り煙草に火をつけ、隼人との電話の内容を思い出していた。
徹平も今日から俺等と同じ高校の生徒か。
入学式で問題起こしてねえといいけど。
まあ、徹平なら大丈夫だな。
祝いが飯だけってのも物足りない気がするから、祝いに何か買ってやるか。
出掛ける準備をするために重い腰を上げ携帯を手に取り、迎えを呼ぶために通話ボタンを押した。
《……はい。》
「圭介、俺だ。」
《おはようございます。》
「車回せ。」
《分かりました。》
通話を終わらせた後すぐに着替えを済ませ、部屋を出てエレベーターに乗った。
マンションの外に出た俺の目の前には、見慣れた白い車が既に停まっていた。
俺に気付いた圭介は、運転席から降り頭を下げると後部座席のドアを開けた。
「おはようございます。」
「ああ。」
車に乗り込み腕を組んで正面に顔を向け、圭介とミラー越しに視線を合わせた。
「……出せ。」
俺が言葉を発したと同時に車は走り出した。
「どちらへ向かいますか?」
「駅前。」
「分かりました。」
俺と圭介の付き合いが長いからか、短い言葉で言いたい事を理解してくれるのが楽でいい。
正直ダラダラ話すのは面倒臭い。
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