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俺と初めて会う奴は、俺との会話がしにくいみてえだが、その分のフォローは隼人がやってくれる。
隼人は昔からそういう奴だ。
俺はそんな関係が気に入ってる。
隼人も圭介も、俺の信頼する奴等は俺の事をよく分かってる。
だから楽でいい。
今日高校に入学する徹平は誰とでも仲良くなれる奴で、俺にも一生懸命話し掛けてくるが、いつも気の利いた言葉を返してやれねえんだよな。
それでも、徹平は満足してるみてえだけど。
あいつも変わった奴だな。
徹平は男にも女にも人気がある奴だから、今日決まるクラスでも問題を起こしたりはしないだろう。
少し心配だが、何かあれば隼人が居るし大丈夫だろう。
俺は、女に近寄られるのが嫌で学校には殆んど行ってねえ。
女ってのは香水臭くてギャーギャー煩えし、暑苦しいぐらいに引っ付いてきたり本気で鬱陶しい。
それに女は簡単に嘘をついて裏切る――…。
マジで女なんて面倒臭え。
「ちっ、」
嫌な過去を思い出して苛々した俺は、気分を変えるため煙草に火をつけ窓の外に視線を向けた。
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