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「着きました。」
「ああ。」
暫く流れる景色を眺めていると車が停まり、運転席から降りた圭介が後部座席のドアを開け、車から降りた俺に向かって頭を下げた。
「迎えは何時頃に?」
「また連絡入れる。」
「分かりました。では失礼します。」
「ああ。」
「お気をつけて。」
頭を下げたまま俺を見送る圭介に背を向け、目的の場所へ向かって歩き出した。
「皆木様、いらっしゃいませ。」
「ああ。」
「本日は、どういった物をお探しでしょうか?」
「うちのチームの奴の高校入学祝いだ。」
俺が店内に足を踏み入れた瞬間、足早に近付いて来た男はこの店の店長だ。
この店は、うちの親が常連で俺も良く来る場所だ。
「そうですか!!では、こちらのシルバー製のボールペンなどは如何でしょうか?」
「ああ、それでいい。」
「畏まりました。すぐにお包み致しますので暫くお待ち下さい。」
徹平がボールペンなんて使うのか分かんねえけど、他の物をやるにしても何も思い浮かばねえ。
とりあえず、ボールペンでいいか。
他の物が欲しいって言うなら、また買ってやればいい。
俺は色々考えながら店長が来るのを待った。
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