事件と救出

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「何だテメェ!!邪魔すんじゃねえよ!!」 「お前なんかに用はね-んだよ!!」 「もういいから早く行こうぜ!!」 こいつら、誰に向かって口聞いてんだ? マジで俺の事を知らねえのか? だから、こんな場所で馬鹿な真似が出来るって事か。 「俺が誰だか知らないのか?」 「お前なんて知らね-よ!!おい、もう行くぞ!!」 一応確認してみたが、やっぱり知らねえみたいだな。 色々考えていた俺の隙をついて、女を抱き上げていた男が俺に暴言を吐き、女を車に乗せようとした瞬間、俺はその男を殴って女を自分の腕の中に引き寄せた。 「大丈夫か?」 俺が女に声を掛けると、意味が分からなくて声が出ないのか、女は戸惑った表情をしていた。 「っ、大丈夫です。」 俺の問い掛けに女が震える声で返事をした。 その女の声を聞いた瞬間、無性に切ない気持ちになった。 「俺がお前を守ってやる。」 気付いた時には、そう口にしていた。 女に聞こえたかは分からないが、俺と目が合ったと同時に女は意識を失った。 意識を失い俺の腕の中で眠る女が運命の相手になるとは、この時の俺にはまだ分からなかった――…。
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