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魚住 正は、覚醒してから直ぐに自分が転生をし、一体何が原因かわからぬが、前世である自分が、有り体にいえば、黄泉がえりをしたのである。
今世であるトレールの魂を押し分けて。
そもそもトレールは自分の魂であるから、それも可笑しい表現だと魚住は思ったが、それ以外は魚住の頭では思い浮かばなかった。
魚住はトレールの経験と知識を受け継ぎ、生を取り戻したわけであったが、十歳という若い年齢では、自分の想い道理に事をすすめる事はできない。
どうしても大人の世話にならなければいけないし、そもそも前世が安全な世界であったため、この魔法やら魔物やらが居る古代ヨーロッパの様相の世界で、生きて行くのは難しい。
前世で培った能力など、この世界では計算程度しか利用価値はなかった。
ということで、魚住改めてトレールは、狩人の父と少しの畑を耕す母のまつ家へと、カーレル海道を歩いた。
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