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「四宮さんは、こちらの出身なんですよね?」
吊革に掴まって並んで立ちながら四宮さんに問いかける。
車窓の外は当たり前のように真っ暗で、時折光が、目の前を通り過ぎて行く。
「うん、そうだけど。
どうして?」
「話し方が…普通の標準語だし、イントネーションもそれっぽくないので、どうしてかな、と」
私の疑問に、四宮さんが「ああ」と破顔する。
「生まれはこっちなんだけど、子供の時親の仕事の都合で東京に引っ越したんだよね。
で、東京の大学出た後、こっちに戻って就職して。
それから事務所立ち上げたから、まあ仕事上は標準語。
まあでも、地元の人間と話すときはまた喋り方変わるよ」
「へぇ、そうなんですか」
四宮さんの経歴は、雑誌のインタビューなんかで目にする機会はたくさんあったが、そこには載っていない彼の過去が分かり、面白い。
なにより、雑誌やテレビに出ていた時は、どちらかと言うとストイックな感じで近寄り難いイメージだったので、実際話してみて気さくな印象なのも意外だった。
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