46人が本棚に入れています
本棚に追加
真紀も二人の攻防を注視している。
二人とも間合いを取りながら攻めあぐんでいるよう。
突然、沈黙を破り篠原が、自分を連れて来いとメンバーに命令しているのが聞こえた。
真紀は苦笑いしながらマイボトルを出して、ゴクゴクと飲み出した。
真紀愛用の金木犀のお茶であった。
金木犀の香りが辺り一面に漂い始める。
「おい!」
「何をやってんだ?!」
「痛い目を見たくなかったらおとなしくついてこい」
乱暴な口調でいらつくように言った。
「あら、貴女、顔に似て言葉も乱暴ね」
「もっと人格磨きなさい」
キツヌ眼の副リーダーは自分の耳を疑った。
『この女は正常な感覚が欠落しているのだろうか?』
この状況下でどうして平常心でいられるのだろうか
副リーダーは真紀を観察する。
(眼の焦点は合っているし異常は見受けられない。多分財閥のお嬢様か何かなんだろう。しかし世間の厳しさは教えナイト)
威嚇するつもりで真紀の足元をチエーンで打撃した。
「脅かさなくても行きますわ」
微笑みながら呟いた。
副リーダーは驚愕する。
実は手元が狂って足元を直撃していたのであった。
最初のコメントを投稿しよう!