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--1.突然の別れ--
花月の言う,あの子の答え。
それをずっと待っていた。
すると花月は頬を赤く染めながら言った。
「あ,あのね…逢沢くんって知ってるよね?」
突然出てきた名前は,
同じクラスの逢沢類であった。
逢沢の事なら,知っている。
と言っても知っているのは名前くらいで。
帰国子女とか言ってたなあ。
なんで彼奴の名前が?
「知ってるけど,逢沢がどうかしたの?」
「ほんっと春輝て馬鹿。
私は逢沢くんと付き合って欲しいの!」
はぁ…?
「花月,それは無理だって!!!!」
まさかの付き合って欲しい相手が男…
それは無理だ。
俺は花月以外考えられないし。
第一,逢沢は男だし!
「無理じゃないよ大丈夫だって」
何が大丈夫なんだよ…
「逢沢って第一男だし,
ごめんだけど無理だって」
「お願い,ほんっとにお願い!」
上目遣いで見られるとドキッとする。
でも何で,逢沢と付き合って欲しいんだ?
幾ら何でもそれは…無理。
「なぁ,花月」
「なぁに?」
「何で俺と逢沢に付き合って欲しいの?」
「だって,春輝と逢沢くんはお似合いだもん。私と並んで歩くより,全然良いし」
「俺は,男と付き合う気は更々ないし
花月と居たいから無理だよ。
花月自身はどうなの?
俺と居たくないからじゃないのか?」
「そう言う事じゃなくて…」
遠回しに言う,別れの言葉である事に
何故すぐに気付かなかったのだろうか。
「もういいよ,別れよ花月
逢沢と付き合って欲しいなんて出任せだろ。」
俺は目の前にいる彼女が涙ぐんでいる事に
気づいていたが,知らないふりをした。
「春輝,聞いて…誤解だよ違うの…」
遠くからか細い花月の声が聞こえた。
でも俺は振り返らずに歩き続けた。
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