琴原 遊と並木 天音

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桜が散り始めた入学式から、かれこれ2週間が 経ったある日の体育館倉庫でのこと。 授業が始まるほんの少し前…。 俺は体育館倉庫の柔らかいマットの上で 気持ちの良い朝日を浴びながら 気分良く寝ていた。 不潔に思われるかもしれないが この常に舞っている埃が 倉庫の窓から射し込む陽光によって光の粒に変わり その形を浮き彫りにさせている。 そんな朝独特の空気を、学校で静かにゆったりと味わうのが好きで まだまだ寝ていたい俺には うってつけの場所でもあり とても気に入っているさぼりスポットだ。 入学式から何度俺はこの場所にお世話になっていることか… その聖地でリラックスしていると…。 ガラガラガラガラガラ─── 古臭い音を立てながら 俺の意志とは無関係にその扉はスライドした。 そして、体育館倉庫の扉の前に 柔和な雰囲気の細めの低身長な人影───
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