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また、少しの静寂が続いた後───
この並木 天音という女子が
うちのクラスの委員長で、その役職柄から
先生様に面倒事を押し付けられ
それに断りに断りきれずその仕事を了承。
そしてその仕事の対象である俺を
(恐らく朝の登校時に)見かけたため
やむを得ず、意を決して追いかけてきた…と。
すごい人見知りなのに…
なんとも責任感のある奴だなぁ。
と、俺はこうなった理由を
ざっくりと自己解釈した。
の、あとに、この気まずい状況を打破しようと話を振った。
「あの、並木さん…だよな?
えーと、俺を教室まで
連れてかなきゃいけないんだっけ?」
「…っ…ぅ、うん…」
俺の問いに並木さんは
泣くのを頑張って堪えながら頷くが
教室に行くのが嫌な俺は、さりげなく最後の粘りに出る。
「…絶対……?」
今教室に行っても授業に間に合わないので
個人的にはここで寝ていたい…。
なにより、授業に間に合っていれば
先生に捕まれど生活指導行きは免れやすいからだ。
しかし並木さんの答えは
「…ぅ、うん…絶対……。」
NOだそうだ…。
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