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店長から渡されたノルマ各200枚。
健太と琉生はあっという間に配り終わり店へ先に帰ってしまった。
───‥‥心細いなぁ‥‥
それでも残りは、あと数枚。
受け取ってくれそうな人を
キョロキョロしながら見渡していたら
ッドン!
「‥‥っイッタァ~イ!」
走って来た小学校低学年くらいの男の子がぶつかり尻餅していた。
「ごめん!良く見てなかったから‥‥」
手を差し伸べ男の子を立ち上がらせる。
そのタイミングで声を掛けられた。
「ごめんなさい!ほらぁ良く見ないからよ?」
男の子を追い掛け優しく怒ってるその女性が近付くと
フワァ~‥‥
良い香りが僕らを包むみたいに漂って来た。
「‥‥‥いえ。僕がボーっとしてたから」
「本当にごめんなさい‥‥」
スーツをカッコ良く着こなしながら
女性らしい優しい雰囲気に
心臓がドクドクと脈打つのを感じながら
子供の手を握り一礼して背中を向ける彼女に釘付けだ。
頭を下げた時に掛かるセミロングの髪を触るしなやかな指先に
見惚れて、小さくなる2人を眺めていた。
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