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不純な動機ではあるがそんな決意を固め
祥子さんに似合いそうなフレームを数本選び
カウンター上、クロスを敷いてフレームを並べた。
「検査、終わりました」
検査室の扉が開き、店長が手を添えながら
祥子さんを僕の居るカウンターまで誘導した。
カルテを渡され、検査内容を引き継ぎ
カウンター越しに正面を向く。
「検査‥‥お疲れ様でした」
「‥‥大丈夫ですよ?
あっフレーム選んで下さったんですか?」
「‥‥はい。お顔立ちや雰囲気から何本かお見立てしました‥‥」
僕の選んだフレームを見た後
嬉しそうに僕へ笑い掛けてくれた。
(もう‥‥僕はだらしなく顔が緩んではいないだろうか‥‥)
フレームを一本テンプルを広げ
ゆっくり顔に近付ける。
彼女は目を閉じて
フレームが掛かるのを待ってる。
両手で持つ指先に
柔らかい髪が触れて
胸が痛くなる程、ドキドキした。
‥‥だって
ずっと想ってた女性が
今、腕の長さ程の距離で
瞳を閉じてるなんて‥‥
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