消えない日常

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滝ノ助は18歳になっていた。 この間、滝ノ助は村一番の若者として実家の畑を耕しながら学校に通い勉学に励んだ。 そして、10月。 滝ノ助は祖父の植木屋を継ぐため、植木職人の弟子入りを志願。 一度目は頑なに断り続けた職人だったが、滝ノ助の再三にわたる志願のせいか受け入れることになった。 『植木なんて簡単そうに見えて、実は奥深くてとても根気がいるもんだ。生半可にはいかないがそれでもいいか?』 『はい』 滝ノ助は元気よく答えた。 職人の顔は日に焼け、深いしわが刻まれた老人。 言い換えれば頑固親父だ。 滝ノ助は体つきがいいため、植木職人にはぴったりなのだろう。その職人も跡取りがいないためか期待をしていた。 その後は職人から仕事のいろはを学び職人として成長を遂げた。 『あの~、お名前は?』 ある時、滝ノ助は職人に聞いた。むしろ今までは恐くて聞けなかった。 職人なんて自分から名乗らないものだから… 『名前は喜市。喜ぶに市できいちと読むんじゃ。』 『素敵なお名前ですね。』 職人は照れくさそうに頭をかく仕草をした。
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